- サイディング外壁について知りたい・・・
- 塗装しないといけないの?
- きれいだけど外壁塗装を勧められた!
- 補修やメンテナンス方法は?
サイディング外壁って一見きれいでも、実は劣化が進んでることが多数あります。
私は塗装会社を経営し、現場でも直接担当したお家が25年間で約400棟施工。その中で、サイディング外壁は一番多く関わってきました。
本記事では、サイディング外壁に塗装をしなければいけない理由と、サイディングの特徴などを解説していきます。
塗料の選択ミスで不具合を起こしやすいサイディング。特徴をつかめば塗料選びにも役立ちます。
目次(もくじ)
そもそもサイディング外壁ってなに?

サイディング外壁とは、外壁材の種類の名称です。
サイディングボードとも言われ、パネル方式で壁に沿って張り合わせます。耐熱性や耐久性に優れ、比較的に低価格で提供できるので人気が出ました。
レンガ調など好きなデザインを選べて、洋風な家に仕上がるのが特徴です。住宅の外壁材において約70%以上(日本国内)が、サイディング外壁となってます。
サイディング外壁は工場で生産されるので、品質が安定。デザインの種類が豊富で、個性ある住宅に仕上がるのが人気の理由です。
サイディング外壁の種類と特徴
窯業系サイディング

●主成分/セメント・繊維質
サイディングの中でもNo.1シェアを誇る、窯業系サイディング。
防水性が低く、塗装の保護は必須ですが、デザインやカラーの種類が豊富で、個性ある住宅になるのでとても人気です。
耐用年数 | 材料費(㎡) |
7年〜10年 | 2500円〜 |
金属系サイディング

●主成分/アルミニウム合金・鉄
断熱効果・防音性が高いのが特徴で、軽量なために重ね張り(カバー工法)に最適。
現在金属と言えば”ガルバリウム鋼板”を指すのが主流で、一昔の金属=鉄ではなく、ガルバリウム鋼板は非常に錆びづらく耐久性があります。
耐用年数 | 材料費(㎡) |
12年〜15年 | 3500円〜 |
木材系サイディング

●主成分/木材
木材ならではのデザインが魅力で、個性的な住宅になります。
耐火性や雨に弱く、定期的にメンテナンスをしないと腐食するのが難点。アクセントで玄関周り等の一部分だけ、木材系サイディングを使用するなどが人気です。
耐用年数 | 材料費(㎡) |
7年〜10年 | 5000円〜 |
樹脂系サイディング

●主成分/塩化ビニル樹脂
北欧などで主流の外壁材。劣化しづらく、コーキングが不要。
日本での普及率はごく僅かで、施工できる業者も少ない。
耐用年数 | 材料費(㎡) |
10年〜20年 | 8000円〜 |
※あくまでも目安です。物価の高騰や、時期・気候により変動します。
サイディング外壁のメンテナンス方法

サイディング外壁はモルタル壁や他の外壁材と同じでメンテナンスや外壁塗装が必要です。(樹脂系サイディングは除く)

劣化具合により、工事の方法が大幅に変わります。
費用 | 工事期間 | |
---|---|---|
塗り替え | 65万円〜150万円 | 約15日前後 |
コーキング | 12万円〜20万円 | 2〜3日 |
重ね張り | 150万円〜200万円 | 20日〜30日 |
張り替え | 200万円〜300万円 | 30日〜50日 |
塗り替え

サイディング外壁に塗装する工事。
塗膜で紫外線や雨水から外壁材を守ってくれます。
塗料によりメンテナンス間隔が変わりますが、約7年から15年の間で塗り替えるのが理想です。
塗り替えを疎かにすると、塗料が劣化してサイディング外壁も劣化していきます。
劣化が酷いと、塗装工事では手に負えなくなり、「重ね張り」や「張り替え」といった高額な工事の選択肢になります。
≫ 外壁塗装の役割を知れば、塗り替えのタイミングが分かる!
コーキング

サイディング外壁のつなぎ目などにコーキングで埋める方法。
コーキングの劣化で雨漏りするケースが非常に多い。外壁塗装と同時に行うのが一般的で、劣化したコーキング材の上に塗装しても耐久性はほぼ無い。
≫ サイディング外壁にあるコーキングの役割を徹底解説
打ち替え | 増し打ち | |
費用(m) | 1000円〜1500円 | 700円〜1000円 |
重ね張り

現在の外壁の上にサイディングを貼り付ける方法。
見た目は新築みたいになりますが、重みが増すので、土台(柱や梁)が劣化してないのが条件です。
外壁塗装が手遅れの状態の場合、「重ね張り」か「張り替え」になります。
材料 | 工賃 | |
費用(㎡) | 2500円〜8000円 | 10000円〜30000円 |
張り替え

現在の外壁材を撤去し、新しいサイディングを貼り付ける方法。
張り替えを選択する人は大概、劣化が激しく「外壁塗装」ができないケースがほとんど。
外壁材だけでなく、建物自体の劣化もある場合は土台も交換になるため、高額な工事になります。
材料 | 工賃 | |
費用(㎡) | 2500円〜8000円 | 15000円〜45000円 |
劣化の原因やデメリット

特に多い原因は「紫外線」と「雨水」。
紫外線は少しづつ塗料や外壁材を劣化させ、雨水は劣化した外壁材に浸透し、サイディング外壁を腐食させます。
窯業系サイディング | |
---|---|
水分を含みやすい 水分を含むと非常に脆く、内側から塗膜等を剥離する。一度濡れると腐食の進行速度が早い。 |
コーキングの寿命 劣化したコーキングの隙間から雨水が侵入し、腐食する |
金属系サイディング | |
錆びてくる 錆びづらい素材ではありますが、錆びて見た目が汚くなります。塗装が付着しづらいデメリットもあります。 |
塩害や酸性雨によって 真水には強いが、台風(潮風)により海と関係ない地域でも錆びる例はあります。金属系の物を立て掛けたりしてると、錆びてくる可能性も。(電食) |
木材系サイディング | |
木が腐り、脆くなる 紫外線や雨水により木材が劣化し、ボロボロになる。塗装や撥水剤などでの保護が必須。 |
シロアリ被害 対策されてない木材などにシロアリが見られるのは自然なことです。必ずシロアリ対策されてるか、確認しましょう。 |
樹脂系サイディング | |
デザイン性の低さ 耐久性はあるが、デザインの乏しさが普及しない原因かも。 |
劣化しにくいが完全ではない 紫外線の影響を受けない外壁材は今の所存在しません。定期的なメンテナンスは必要になります。 |
まとめ
診断
メンテナンス方法

診断結果
窯業系サイディングは水に弱く、塗膜の保護が必要です。
劣化が進むと外壁塗装が出来なくなるので、定期的なメンテナンスは必ずしましょう。
特にコーキングの劣化には注意が必要です。
≫ サイディング外壁にあるコーキングの役割を徹底解説

診断結果
金属系サイディングは塩害に弱く、塗膜の保護が必要です。
耐久性はありますが、定期的なメンテナンスは必ずしましょう。
サイディングの隙間などから雨水が侵入しますので、コーキングが劣化してきたら充填することをおすすめします。
≫ サイディング外壁にあるコーキングの役割を徹底解説

診断結果
木材系サイディングは水に濡れると腐食するのが早いです。
塗装などの保護をして耐久性を上げましょう。
サイディングの隙間などから雨水が侵入しますので、コーキングが劣化してきたら充填することをおすすめします。
≫ サイディング外壁にあるコーキングの役割を徹底解説

塗料で外壁材を保護することが、一番お金がかからない方法です!
サイディング外壁に限らず、ほとんどの外壁材”は外壁塗装”が必要です。
劣化しすぎると塗装工事では手に負えなくなり、「重ね張り」「張り替え」の選択肢しかなくなります。
定期的な点検・メンテナンスはとても大事なことを忘れないでください。
紫外線や雨水から大切な我が家を、外壁塗装によって守りましょう。
≫ 外壁塗装をする前に8つの事を知ってほしい