- サイディング外壁においてのコーキングって…?
- コーキング工事の相場は?
- コーキング材の役割を知りたい!
外壁のつなぎ目にあるゴム状のものは何だろうって疑問に思う方も多いと思います。
私は塗装会社を経営し、現場でも直接担当したお家が25年間で約400棟施工。その中で、コーキング工事の大切さ・意味のない工事もたくさん経験してきました。
本記事ではコーキングの役割を解説し、雨漏り対策においてどれだけ大事な工事かを解説します。
記事を読んで、外壁塗装と同時にコーキング工事を行うか、判断できるようになりましょう。
目次(もくじ)
サイディング外壁のコーキング
外壁においてのコーキングとは、主に穴埋めに使用して雨水から守る役目があります。
職人の間ではシーリングと呼ぶことが多いですが、プロ以外の人にあまり浸透してない為、コーキングで統一してます。

会社内では皆んな”シーリング”って言ってます。
サイディング外壁のコーキング材の役割は、雨漏り+緩衝材(地震等による外壁同士のクッション)の役割があります。
サイディング外壁における主なコーキングの箇所
コーキングの大事な2つの役割

意外と軽視されがちなコーキングですが、とても役立ってくれてます。
雨漏り対策
サイディング同士の隙間をコーキングで埋めることにより、建物内部への雨水の侵入を防ぐ。
コーキング材が劣化すると雨漏りの原因になりますので、定期的なメンテナンスが必須になります。
緩衝材(クッション)
家自体は、常日頃揺れています。(地震・強風・大型トラックの通過・温度変化によるサイディングの伸縮等)
つなぎ目に充填されてるコーキングには、その動きに対応し、雨水から守る大事な役目を果たしてくれてます。
サイディング外壁において、コーキングは最重要項目と言っていいほど必要不可欠。
コーキングの劣化のサインと寿命

コーキングの寿命や劣化を放置すると、サイディング外壁や建物内部が腐食する可能性があります。
コーキングの寿命

コーキングの寿命は一般的なので5年〜10年、中には30年の耐久性を誇る商品も実在します。
≫ 耐久性バツグンのオートンイクシード
コーキングは弾力性が無くなると、建物の揺れや伸縮に追随できなくなり、亀裂や膨れ・剥がれて寿命を迎えます。
窓まわりなどのあまり揺れない箇所・”緩衝材”(クッション)の役目以外の箇所は寿命が長い傾向にあります。(つなぎ目等のコーキングは寿命が短い)
コーキング材の劣化のサイン
ご自宅のコーキングが同じ症状ならメンテナンスを考えましょう。
- 劣化度★肉やせ弾力性を持たせる成分が表面に出てきて、厚みが減少する現象。劣化の始まりとも言えるので、検討する段階です。
- 劣化度★チョーキングコーキングの成分の中の顔料が浮き出てくる現象。メンテナンスの合図と言われ、検討する段階です。
- 劣化度★★ひび割れ紫外線等の影響を受け、弾力性がない状態と言えます。ひび割れが更に大きくなり、雨漏りの原因となるのでメンテナンスが必要。
- 劣化度★★★亀裂
ひび割れが進み、末期症状の状態です。すでに雨水が壁材に染み込んでる可能性が高いので、メンテナンスする必要があります。
上記の症状が出てたら劣化のサインで、コーキング工事を検討する事をおすすめします。
コーキング材の種類で寿命が変わる
- 変成シリコン系
- 紫外線に強く、塗装前・塗装後にも使用可能で多くの住宅に採用されております。
耐久性は良いが、塗料との密着性はあまり良くないと言われ、塗装をするならポリウレタン系がおすすめです。
- ポリウレタン系
- 変成シリコンに比べ安価ではありますが、紫外線に弱く、上から塗装による保護が必須。
塗料との相性がよく、密着性が良いため、外壁塗装をするなら”ポリウレタン系”をおすすめします。
- シリコン系
- キッチンや浴槽・主に水回りに使用され、汚れづらい。
塗料もはじき、上から塗装の保護が出来ないので、外壁等の外回りには不向きなコーキング材になります。
変成シリコン系 | ポリウレタン系 | シリコン系 | |
耐久性 | (4.5 / 5.0) | (3.5 / 5.0) | (5.0 / 5.0) |
価格 | 高価 | 普通 | 安価〜高価 |
主な使用箇所 | 屋根・外壁 | 屋根・外壁 | 内装(塗装しない箇所) |
塗料との相性 | やや悪い | 良い | 最悪 |
備考 | 紫外線に強く、塗装しない外回りに向いている。 | 紫外線に弱いが、塗料との密着性は良いため、外壁塗装の下地に向いている。 | 耐久性はあるが、塗料との相性は最悪。 水回りなどに向いている。 |
- 1液型
- ホームセンターなどで売られていて、DIYなどでも幅広く使用されてます。
扱いやすく、小さな補修から一般住宅のコーキング工事に向いた商品。
- 2液型
- 専用器具がないと使用できないため、完全プロ専用の材料。
マンションなどの大型物件にはほとんど2液型のコーキングが使用されます。
1液型 ![]() |
2液型 ![]() |
---|---|
硬化の仕方 | |
そのまま使用可能 「カートリッジ型」と言われ、1本ずつ筒状にコーキング材が入っている。(全てではないが) |
硬化剤と混ぜ合わせる コーキング材と硬化剤を混ぜ合わせる(専用の撹拌機)ことにより、使用する”プロ専用”のコーキング材。 |
主な使用箇所 | |
小規模工事や補修 扱いやすく、すぐに使えるために多くの人が使用してる。 |
大規模工事 撹拌に時間がかかり、一度混ぜると使い切らなければゴミになる。 |
価格 | |
高い カードリッジから出たコーキング材は再充填できないのでかなりの材料がゴミになるため高くなる。 |
安い 余分な材料を再充填できるので、1液型より安くなる。 |
耐久性 | |
若干劣る 1液でも30年持つ商品もあるので、あまり変わらない。(2液より弱いとは言われてる) |
優れてる 1液型より長持ちすると言われてるが、上から塗装で保護をするのであれば大差はない。 |
コーキング材の選び方
変成シリコン系→塗装しない外回り(今後も塗装しない箇所の場合はシリコン系)
ポリウレタン系→塗装する場合
シリコン系→塗装しない内装
1液型か2液型はそこまで気にしなくても一般住宅なら大丈夫。
コーキング工事の相場

コーキング工事はやり方や外壁塗装の兼ね合いで工事費用が変わります。
コーキング工事には「打ち替え」と「増し打ち」の2つの方法がある


おすすめは打ち替えですが、費用が高くなります。
- 打ち替え
- 古いコーキング材を撤去し、新たにコーキング材を補填する方法。
十分な肉厚・密着性が確保され、耐久性がある。
- 増し打ち
- 古いコーキングの上に補填する方法。
緩衝材(目地)の役目を果たす箇所は必ず打ち替えを行わないと、耐久性が保てません。
他の箇所(窓まわり・サッシ周り等)は予算がなければ、増し打ちでも最低限の耐久性(肉厚は確保)は保てます。
一般住宅のサイディング外壁のコーキング箇所は150m〜250m程度です。
打ち替え | 増し打ち | |
費用(m) | 1000円〜1500円 | 700円〜1000円 |
増し打ちする場合は、必ずシーリング材の厚みを確保できるか確認が必要です。
確保できない薄いコーキングは耐久性がありませんので、意味のない工事になりますのでご注意ください。
コーキング工事と外壁塗装は同時におこなう
コーキング工事をするには必ず足場が必要です。
部分的なコーキングにも必要になるので、まとめて工事すれば足場費用も1回で済み、その分安く工事が行なえます。

足場代は10万円から20万円ぐらいが平均的です。
工事費用 | 足場費用 | 合計費用 | |
コーキング工事 | 15万円 | 18万円 | 33万円 |
外壁塗装 | 80万円 | 18万円 | 98万円 |
まとめて工事 | 95万円 | 18万円 | 113万円 |
仮に別々で工事すると131万円でまとめた工事113万円と足場費用の18万円の差額が出ます。
別々で工事 | まとめて工事 |
131万円 | 113万円 |
足場費用2回分含む | 足場費用1回分含む |
足場費用だけでなく、塗装工事等の他の工事も値引きに応じやすくなり、お得に工事ができる可能性が高まります。
≫ 外壁塗装と一緒に行えば安くなる工事を解説!
まとめ
本記事ではコーキングの役割や、相場を解説しました。
記事内容
- コーキングとは雨漏り対策や緩衝材の役割(クッション)
- コーキングの寿命5年〜10年で、中には30年といった高耐久の商品も
- 主な種類・変成シリコン系・ポリウレタン系・シリコン系・1液型・2液型
- やり方・打ち替え・増し打ち
- 相場・打ち替え1000円〜1500円(m)・増し打ち700円〜1000円(m)
- まとめて工事するとお得足場費用が余分にかからずに済む

必要ない工事は無理にする事はありませんが、お得になることは覚えておいてくださいね。
塗装すると見えなくなるため、軽視しがちですが、コーキング工事は我が家を守る上で欠かせない大事な工事です。
コーキング工事をお考えなら、外壁塗装も同時にできるか検討しましょう。
≫ 外壁塗装をする前に8つの事を知ってほしい【塗装業界歴25年のプロが解説】