- 外壁塗装のタイミングが分からない・・・
- コーキング工事はしないといけないの?
- 最適なメンテナンス方法は?

メンテナンス方法が気になる方多いかと思います。
日本の住宅の約70%以上がサイディング外壁。その中でも”窯業系”のサイディングは圧倒的なシェアを誇ります。
デザインが性が高く、比較的安価などメリットの多い外壁材ですが、メンテナンスを前提とした外壁材で、外壁塗装やコーキング工事は必須になります。
私は塗装会社を経営し、現場でも直接担当したお家が25年間で約400棟施工。知識がないだけで、サイディングのメンテナンス方法を間違える業者を数多く見てきました。
本記事では”窯業系サイディング”の特徴や費用・劣化症状など、どのように対処して工事をすればよいのかを解説。
どのような劣化が起こり、どんなメンテナンスが必要かを知ることで、最適な対処・工事方法が見つかり無駄な工事が避けられます。
目次(もくじ)
窯業系サイディングの特徴

窯業系サイディングの原料はセメントと繊維質で構成。
工期がかからず費用が抑えられ、デザイン・種類も豊富で人気が高く、住宅で一番多い外壁材です。
新築時にはメリットだらけに見える外壁材ですが、メンテナンスの方法を間違える業者が非常に多く見られます。
新築時(新品)等の場合、最初に外壁材に色付け(塗装)が工場でされており、防水機能をもたせてあります。
防水機能が切れても外観がきれいな場合が多いため、外壁塗装・メンテナンスに踏み切ることが出来ない人が多いです。

汚れや劣化がわかりづらいんですよね!
注意したい点
窯業系サイディングは水分を吸収しやすく、雨水等から塗料での保護が必要。特に繋ぎ目部分(コーキング箇所)からの浸水には注意してください。
外壁塗装やメンテナンスが必要な理由
メンテナンスで大事なことは、防水。雨水から我が家を守る事が大切です。
窯業系サイディングには防水機能がありません。表面の塗膜、塗料によって補われてます。
水分に弱く含みやすい素材なので、定期的なメンテナンスをしないと劣化の原因に。
高額な工事になる
防水機能が失われると、セメントが主成分の外壁材は水分を含み、放置し続けると劣化しすぎて塗装工事では手に負えなくなります。
劣化が進行すると、「重ね張り」や「張り替え」と言った大掛かりな工事で費用も高額に。そのため、定期的な点検・メンテナンスは一番効率が良く、安上がりな方法になります。

手遅れになる前に、外壁塗装は必要です。
塗りつぶしでデザイン性が損なわれる
窯業系サイディングはデザインに凝った物が多く、人気があります。そのデザインを残したままの”クリア塗装”を選択すれば、一色だけの塗りつぶし塗装にはなりません。
劣化が進むとクリア塗装も困難になり、せっかく選んだデザイン性も損なわれます。
塗装で模様をつける方法もありますが、工賃が高く、施工できる業者も少ない。
塗り重ね回数 | 費用(㎡) | デザイン性 | 備考 | |
単色塗りつぶし | 3・4回 | 1800円〜4000円 | (3.0 / 5.0) | ・サイディングの柄が消える |
クリア塗装 | 2・3回 | 1500円〜4000円 | (4.5 / 5.0) | ・塗り回数が減る代わりに材料費が少し高い |
模様柄を残す塗装 | 4・5回 | 3000円〜5500円 | (4.5 / 5.0) | ・塗り回数と、手間がかかるため割高 ・デザイン性を損なわない |
デザイン性だけでなく、水分を含んだ外壁材は補修してからの塗装になります。

補修費用も負担ってもったいないですよ!
メンテナンス方法・劣化症状
これらは防水・雨漏り対策になります。
単純に塗り替える作業ですが、窯業系サイディングの塗り替え工事は他の外壁材の工事より、多く失敗が見られるので注意が必要。
主なメンテナンス方法の間違いは、塗装工事時の「塗料選択ミス」と、「コーキング工事の手抜き」によるものです。
外壁塗装の必要性と注意点
外壁塗装の塗膜によって”外壁材を保護”し、雨水や汚染から守る役割があります。
窯業系サイディングだからといって、塗装工事になにも特別な工法はありません。しかし、塗装工事での失敗は数多く見てきました。
失敗によって生じる症状
- 膨れ
- 剥離
- 気泡
窯業系サイディングは蓄熱性・熱を持ちやすく、必ず専用塗料で施工しなければいけません。
細かく言うと、下塗り材(塗料)の選択ミスで起こります。
なぜ、このようなことが起こるかと言うと、「知識がない」「材料の使い回し」などが挙げられます。

窯業系の特徴を知らない業者っているんですよね。
上記の2つは結局窯業系サイディングの特徴を知らないから起きる事例であり、最低な業者と言えます。
専用下塗り材も、他の下塗り材も価格は同等で、経費削減にもなりません。
コーキング工事の必要性と注意点
窯業系サイディングで特に気を付けたいのがコーキングです。
窯業系サイディングは熱や揺れなどで伸縮します。
サイディングボードとの隙間(目地)をコーキングで埋めることにより、緩衝材(クッション)の役目を果たし、雨水からも守ってくれます。

コーキング材は非常に伸縮する反面、塗膜が追随できずに割れてしまうケースもあります。
塗料との相性・施工方法などで耐久性が大きく変わる。
コーキング工事には「増し打ち」と「打ち替え」の2つの方法があります。
増し打ち→ 既存の古いコーキング材の上から新しいコーキング材を充填する方法。
打ち替え→ 古いコーキング材を撤去し、新しいコーキング材を充填する方法。

耐久性は打ち替えのほうがありますが、費用も高くなります。
増し打ち | 打ち替え | |
費用(m) | 700円〜1000円 | 1000円〜1500円 |
耐用年数 | 1〜8年 | 5年〜10年 |
増し打ちするには条件があって、劣化が進んだコーキングや厚みが10mm以上確保出来ない場合は工事不可能と推奨されてます。
コーキング工事には必ず足場が必要なので、他の費用も考慮しながら増し打ちか打ち替えを検討することをおすすめします。
≫ まとめて工事すればお得になる
増し打ち・打ち替えの比較
増し打ち800円・打ち替え1250円(200m)
増し打ち | 打ち替え | |
コーキング費用 | 16万円 | 25万円 |
外壁塗装 | 80万円 | 80万円 |
足場費用 | 18万円 | 18万円 |
合計費用 | 114万円 | 123万円 |
差額は9万円。

増し打ちで不安を残すより、打ち替えしたほうが断然おすすめです。

コーキング材の劣化は目視で分かりやすいので、定期的にご自身でチェック!
紫外線の影響を受ける南側(大体が庭やベランダ側)の外壁の面を確認すれば分かりやすいです。
外壁材が劣化する前にコーキング工事はしましょう。
サイディング外壁のコーキングの役割については別記事にて詳しく解説してます。
≫ コーキングの役割を徹底解説
劣化症状
窯業系サイディングのメンテナンス時期
新築時→7年〜10年
塗り替え後→10年〜20年
塗料の性能・気候や条件により変動はしますが、見た目に現れる症状は同じです。

主な劣化の原因は「塗膜の効果切れ」と「コーキング材の劣化」によるものです。
色あせだけなら経年劣化によるものなのでそれほど心配はありません。問題は塗膜の膨れや剥離を起こしてる場合です。
窯業系サイディングの住宅で多いのが、外壁材と塗膜の間に水が回り込み、膨れや剥離を起こす事例です。
大体が、コーキング材の劣化によりその隙間から浸水してしまうパターンが非常に多い。
外壁塗装とコーキング工事はとても大事で、定期的なメンテナンスは必要です。
塗装工事だけしても、劣化したコーキング材の上の塗膜は剥離します。コーキング工事と同時に行うことが、かしこい塗装工事と言えるでしょう。
同時に行えば足場代も1回で済み、余計な出費が避けられます。
≫ 外壁塗装と一緒に行えば安くなる工事を解説!
まとめ

窯業系サイディングは、デザイン性・種類が豊富・個性の出せる人気の外壁材です。
その反面、塗装工事でのメンテナンス方法を間違える業者や、コーキング工事をおろそかにして外壁材が劣化した住宅も数多く見てきました。
ポイント
窯業系サイディングは水分を吸収しやすく、雨水等から塗料での保護が必要。特に繋ぎ目部分(コーキング箇所)からの浸水には注意してください。
劣化が進行し、外壁塗装で手に負えなくなる前に定期的なメンテナンスを心がけましょう。
窯業系サイディングはメンテナンス方法を間違える業者がいます。正しい施工方法で工事をしてもらうためにも、知識と経験のある業者に工事を依頼しましょう。
≫ 外壁塗装で失敗しない業者のシンプルな選び方
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