外壁塗装

知っておくべき外壁塗装の塗料の種類と特徴・機能を解説【塗料の選び方】

6月 25, 2022

外壁塗装の塗料の種類
  • 塗料の種類が多すぎてどう選んで良いか分からない
  • 塗料選びで大事なことが知りたい
  • どんな塗料があるか知りたい

外壁塗装で最も悩むのが塗料選びかもしれませんね。

間違った塗料選びをしてしまうと、見た目だけではなく、耐久性や雨漏りの原因にもなりかねません。
外壁塗装をご検討・ご予定の方は失敗しないためにもぜひ、ご覧下さい。

塗装工事の塗料の主な目的は、『防水』『美観』『耐久性』です。
この3つの役割を果たしてくれる塗料が、選ぶ上での最低条件になります。

外壁塗装

外壁塗装の塗料の種類と特徴

塗り替え時に迷うのが塗料選び。適当に選ぶと必ず後悔しますよ!

外壁塗装の種類は無数にあるので代表的なものをまとめました。


塗料選びは選択肢が多く迷いますが、耐久性に直結しますので、きちんとしたご自宅に合う塗料を選ぶために少しだけ知っておかなければなりません。

特にこだわりがなければ、最後の”まとめ”だけ目を通してくれればOKです。

⬇まとめに飛ぶ⬇

今回解説していく各塗料の耐用年数と相場です。

耐用年数と価格は比例する
アクリル塗料
5〜6年
ウレタン塗料
5年〜7年
シリコン塗料
6年〜10年
フッ素塗料
12年〜15年
光触媒
約15年
無機塗料
15年〜20年

診断

予算に応じた塗料を10秒で診断

塗料選びの参考に!

外壁塗装をお考えの物件は?

高耐久な塗料をおすすめ!

マンションやアパート等は工事をする度に住民に迷惑がかかり、なるべく外壁塗装は避けたい工事です。 高耐久の塗料を採用すれば「15年〜20年」ごとの塗装工事で済みます。

そんな物件に適した塗料が「フッ素塗料」「無機塗料」になります。
≫フッ素塗料について
≫無機塗料について

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フッ素塗料か無機塗料がおすすめ!

高額ですが、高耐久な塗料。
15年〜20年の耐用年数を誇る塗料で、美観性も長持ちすします。
長期間で考えると、塗り替え回数が少なく済み、コストパフォーマンスの良い塗料と言えるでしょう。

≫フッ素塗料について
≫無機塗料について

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シリコン塗料かラジカル塗料がおすすめ!

「価格」「耐用年数」とバランスの取れたコストパフォーマンス最強の塗料。
コスパの良さで塗装業界No.1人気塗料がシリコン塗料。
シリコン塗料を追い抜く勢いなのが、比較的新しいラジカル塗料。

売れ筋商品のため、種類も豊富で困りません。
≫シリコン塗料について
≫ラジカル塗料について

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アクリル塗料かウレタン塗料がおすすめ!

安価でお求めやすく、耐用年数は5年〜7年程度です。
初期費用は安く済みますが、耐久性があまり無いので、長い目で見るとコストパフォーマンスが良いとは言えない塗料になります。
もう少し予算を上げ、シリコン塗料を採用するのが望ましい。
≫シリコン塗料について

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アクリル塗料

アクリル塗料
耐用年数
5年
10年
15年
低価格
高価格

新築の時に色付けの為によく使用されていました。
低価格で発色(殆どの色を出せる)が良いのが特徴。

平米単価(㎡)1,000円〜1,500円程度
耐久年数 5〜6年程度
メリット
デメリット
  • 低価格
  • 色んな色が自由に選べる
  • 耐久性が低い
DIY向きな塗料で、あまりおすすめはできないかな・・・。
こんな方におすすめ
  • 少しだけ補修したい方(色付け目的)
  • とにかく安く仕上げたい方
  • 長く住むつもりのない方
  • 門塀など気軽に色を変えて楽しみたい方

ウレタン塗料

ウレタン塗料
耐用年数
5年
10年
15年
低価格
高価格

独特の光沢があり、密着力が強い。シリコン塗料の普及により、外壁の塗料での使用は激減。

平米単価(㎡)1,000円〜2,000円程度
耐久年数 5年〜7年程度
メリット
デメリット
  • ほとんどの箇所に塗れる
  • 低価格
  • 塗膜が柔らかい
  • シリコン塗料との価格差があまりなく、メリットがあまり無い
  • 塗膜が柔らかく防水性に優れているが、間違った箇所に塗ると施工不良を起こす
悪くはないが、シリコンと価格が一緒なら選びづらいなぁ・・・。
こんな方におすすめ
  • 少しだけ補修したい方(色付け目的)
  • とにかく安く仕上げたい方
  • 長く住むつもりのない方
  • 門塀など気軽に色を変えて楽しみたい方

密着性が良いので、雨樋など剥がれやすい箇所には最適な塗料です。

シリコン塗料

シリコン塗料
耐用年数
5年
10年
15年
低価格
高価格

最もスタンダードな塗料で、ウレタン塗料から主役の座を勝ち取った王道の塗料。
そこそこの耐久性と価格で、建設業界で爆発的に広まる。

平米単価(㎡)2,000円〜3,500円程度
耐久年数 6年〜10年程度
メリット
デメリット
  • どこのメーカーでも売れ筋の塗料だったので価格も大分下がった
  • 幅広い価格設定
  • 種類の多さ
  • コストパフォーマンスは最強かも!?
  • 同じシリコンでも性能は様々で分かりづらい
  • ウレタン塗料より硬いため、ひび割れを起こしやすい
  • 性能は価格に比例するので、安価なシリコン塗料は性能も✗

1番の人気塗料です。シリコン塗料も”ピンキリ”なので注意は必要!

個人的にはバランスの取れた(価格・耐久性)塗料と言えますね。
こんな方におすすめ
  • そこそこの性能(耐久性)で十分と思える方
  • 塗料にあまりこだわりのない方
  • 業者のおすすめに任せたい方

屋根にシリコン塗料を使用する場合は高耐久(約10年以上)のシリコン塗料をオススメします。
屋根は外壁よりも過酷な環境にさらされるため、外壁よりも劣化が早い。

≫【デメリットも解説】外壁塗装で人気のシリコン塗料が選ばれる理由

詳しく解説

フッ素塗料

フッ素塗料
耐用年数
5年
10年
15年
低価格
高価格

フッ素塗料は、『汚れを寄せ付けない』『酸性雨に強い』『紫外線に強い』といった性質が特徴で、主に大型施設(例:東京スカイツリー)などに使用されるケースが多い。
フライパンでのテフロン加工、フライパンの表面にフッ素加工を施し、汚れを寄せ付けません。

平米単価(㎡)3,500円〜5,000円程度
耐久年数 12年〜15年程度
メリット
デメリット
  • 公共の建物に使用される実績もあり、抜群の耐久性は証明済み
  • 長期間、美観を損なわない・汚れにくい
  • 高価格
  • 取り扱いが難しく、次の塗り替えにも影響するため注意が必要
  • フッ素以外の塗料との耐久性のバランスが保てず、部分的に塗り替え時期がずれる
過酷な環境下にさらされる屋根塗装に向いてます。
こんな方におすすめ
  • アパートやマンションオーナーの方
  • 10年以上の美観を期待したい方

一般住宅の外壁には高級すぎておすすめはあまりできないかも・・・。
屋根だけフッ素を使用するのは選択肢の1つですね。

≫ 【必ず確認】フッ素塗料で外壁塗装する前に他の塗料と比較しよう

詳しく解説

光触媒塗料

光触媒
耐用年数
5年
10年
15年
低価格
高価格

紫外線を受けると表面の塗膜が汚れを分解し、雨が当たるだけで汚れを洗い流してくれる。
汚れが付きにくいので、劣化がしにくく耐久性がある。

平米単価(㎡)4,000円〜5,000円程度
耐久年数 15年程度
メリット
デメリット
  • 紫外線が当たり自浄洗浄機能により、汚れが付きにくい
  • 空気の清浄効果がある
  • 抜群の耐久性を誇る
  • 除菌・防カビ効果が長続き
  • 高価格
  • 紫外線の当たらない箇所は汚れが落ちにくい
  • 取り扱いが難しく、次の塗り替えにも影響するため注意が必要
  • 業者側の説明不足でトラブル多発

塗料代だけではなく、工事費(手間代)を元請けは確保してくれないので、不良施工が多発しているのをたくさん目撃してきました。

光触媒の塗装には1工程増えるだけではなく、最後に散水してきちんと塗られたかどうか確認する必要があります。
目視や指触点検ではわかりづらく、必ず塗り残しが。
散水したあとは乾くまで補修ができないため、どうしても時間と手間がかかり、予算が確保できないのが現状です。
大手の某ハウスメーカーは新築時に光触媒を採用してますが、大手企業以外の業者の塗り替えには適さない塗料と言えます。(もちろん性能は素晴らしいですが)

光触媒は職人の技量によって仕上がりが変わります。
こんな方におすすめ
  • 日当たりの良い家に住まわれてる方
  • 風通し・外壁によく雨の当たる家に住まわれてる方

無機ハイブリッド系塗料

無機塗料
耐用年数
5年
10年
15年
低価格
高価格

耐久性が非常に優れており、不燃性(燃えにくい)がある。
塗膜が硬いので、ほとんどの外壁には向かず(ハイブリッド以外)、屋根やあまり伸縮しない箇所への塗装に最適。
伸縮性を確保するために外壁用塗料として、”無機ハイブリッド”が開発された。

平米単価(㎡)4,500円〜5,500円
耐久年数 15年〜20年程度
メリット
デメリット
  • 雨や紫外線の影響をあまり受けないため長期間の耐久性を誇る
  • 不燃性・燃えづらく、二次災害に威力を発揮
  • カビ・苔が発生しにくい
  • 高価格
  • ひび割れしやすい
  • 旧塗膜に付着しづらい

無機の耐久性と伸縮性を組み合わせた無機ハイブリッド。

耐用年数は今の所最強の塗料かもしれないです。
こんな方におすすめ
  • 海沿いで塩害に困ってる方
  • お金よりも耐久性を重視したい

無機塗料は非常に耐久性に優れてますが、他の箇所との兼ね合い(塗り替えのタイミング)を考える必要がある。

≫ 【職人目線で解説】無機塗料って本当にフッ素以上?外壁塗装する前に知っておきたい事


現在人気な塗料がラジカル塗料!
ラジカル塗料(コスパ最強)

圧倒的人気のシリコン塗料に追いつきそうな勢いなのが”ラジカル塗料”。

  • 毎回最初に提案
  • シリコン塗料と同等の価格帯
  • フッ素並みの耐久性
  • 比較的新しい塗料

≫ラジカル塗料について

ラジカル塗料について

水性塗料と油性塗料の特徴

水性塗料と油性塗料の違い

塗料には『水性』『油性』があることはご存じの方も多いと思います。

塗料の種類希釈剤(薄める材料)匂い耐久性主な用途箇所備考
水性弱い
(3.5 / 5.0)
外壁
室内塗装
基本的には平らな箇所に適さない
油性(弱溶剤)弱溶剤
(シンナー)
やや強い
(4.0 / 5.0)
全般
(室内以外)
臭いが苦手な人も
油性(強溶剤)強溶剤
(シンナー)
強烈
(5.0 / 5.0)

ベランダ防水
触る場所
(机・椅子等)
密着性は抜群だが、外壁には臭いがきつすぎて不向き

診断

【水性か油性の塗料を10秒で診断】

塗料選びの参考に!

工事期間中の多少のニオイは我慢できる?

油性塗料がおすすめです。

油性塗料は水性塗料より密着性が強く、強固な塗膜を形成します。
少しニオイが有るのが難点ではありますが、近隣の方にお知らせをして工事をしてもらいましょう。

油性にも弱溶剤と強溶剤があり、一般住宅で採用されるのが弱溶剤になります。

もう一度診断する

耐用年数に影響が出るならニオイは我慢する?

油性塗料がおすすめです。

油性塗料は水性塗料より密着性が強く、強固な塗膜を形成します。
少しニオイが有るのが難点ではありますが、近隣の方にお知らせをして工事をしてもらいましょう。

油性にも弱溶剤と強溶剤があり、一般住宅で採用されるのが弱溶剤になります。

もう一度診断する

水性塗料がおすすめです。

技術の進化により、油性塗料との差はあまり無い。
外壁に関しては水性塗料の方が圧倒的なシェアを占めます。

水性塗料とは言え多少のニオイは発生するので、気にされる方は工事の前に業者に確認しましょう。

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水性塗料の特徴

昔(2000年以前)は油性塗料に比べると耐久性に疑問があった水性塗料も技術の進歩により、耐久性が油性塗料並みになりました。

水性塗料の良さはなんと言っても、あまり臭い無いこが挙げられます。
作業する職人にも優しい水性塗料ですが、外壁材によっては適さない場合もあるので事前に調査が必要です。

屋根専用の水性塗料はたしかにありますが、何度も屋根に水性塗料を塗って剥がれた事があります。
元請け指定の塗料なので拒否は出来ず、辞めてほしいものでした。

油性塗料より、塗膜に厚みを持たせることが出来るのが水性塗料。
今後、水性塗料が主役になっていきそうです。

屋根には何も考えず、油性塗料の一択で私は良いと思います。
水性塗料で塗る箇所
  • 外壁
  • 内装(室内)

室内はほとんどが水性塗料(臭いが少ないため)
平らでツルツルした外壁には向かない。(専用の下塗り材を塗っても剥がれやすい)

屋根に水性塗料をすすめる業者もいますが、塗料の乾きが早く、作業自体が難しい。
塗りたては綺麗でも、数年後に必ず塗りムラが出ます。
全然”おすすめ”出来ません。

チェックポイント

塗る箇所に適していれば水性塗料は素晴らしい性能を発揮します。

油性塗料の特徴

金属屋根の屋根塗装

油性塗料はシンナー等の溶剤を使用するため、『臭いがきつい』事が欠点に挙げられます。
苦手な人は近隣での塗装工事も気になるそうで、匂いに慣れた塗装職人には気づきにくい注意点ですね。

少し臭いますが、密着性に優れてます。
油性塗料で塗る箇所
  • 外壁
  • 屋根
  • 鉄部・雨樋

耐久性と密着性に優れているため、過酷な環境下にある屋根に適している。
雨樋や鉄部にも使用されることが多い。

水性と違い塗膜の表面が平らになるので、美観的にもきれいな仕上がりになります。
外壁にも塗れるので、ニオイ対策・近隣への説明が対応可でしたら油性塗料での外壁塗装もおすすめです。

チェックポイント

ニオイがきつくて工事ストップの可能性もあるので、必ず事前に打ち合わせが必要。

塗料の1液型・2液型について

硬化不良に気をつける

『水性塗料』・『油性塗料』にも1液型、2液型とあります。
業者側から1液か、2液かの説明はあまり無いかもしれないですが、予備知識として覚えておきましょう。
(職人にとってはかなり重要)

塗装工事で使用する塗料は、1液か2液に分かれます。

価格耐久性扱いやすさ使い方
1液少し安い扱いやすい水やシンナー等を混ぜる
2液少し高い素人には少し扱いにくい水やシンナー等と硬化剤を混ぜる

1液塗料:塗料と希釈剤(水やシンナー)と混ぜ合わせて完成。
2液型塗料:塗料と希釈剤(水やシンナー)と硬化剤を混ぜ合わせて完成。

1液と2液塗料の画像

2液塗料の注意点として、硬化剤の比率を間違えると硬化不良を起こします。
適当に混ぜ合わせるだけだと、耐久性・塗料の”性能”も台無し!

私も昔はよく目分量で硬化剤を混ぜてました。
熟練になると余計疎かになると、今では反省してます。

1液型塗料の特徴

メリット
デメリット
  • 価格が安い
  • 取り扱いが簡単
  • 2液塗料ほどの耐久性がない
  • 通気性が悪い場所は乾くのが遅い

1液型塗料は空気乾燥、表面から乾燥していく。

2液に比べて取り扱いが簡単で、誰でも一定の施工品質に仕上げることが可能。
余った塗料も翌日に使用することも出来るメリットがあります。

室内など、1液型塗料だと空気乾燥なので、風の当たらない場所は乾くのが遅い。
近年は、2液型塗料なみの性能を備えた1液型塗料が開発されてるので、近い将来『1液型塗料』が主役になりそうです。

DIY(日曜大工)には臭いが少なく、”1液水性塗料”がおすすめです。
1液型塗料の主な使用箇所
  • 外壁
  • 天井

2液型塗料の特徴

メリット
デメリット
  • 通気性が悪い場所でも乾く
  • 耐久性
  • 混ぜると硬化が始まり、使い切り
  • 取り扱いが少し大変

2液型塗料は硬化剤により、通気性が悪くても乾きが早い。

硬化剤の分量を間違えると1液型塗料以下の耐久性になるため、きちんとした施工が求められる。
プロ向きの製品で、混ぜたら使い切らなきゃいけないので、こまめに使用量だけ作る予測が必要。

必ずはかりを使い、g(グラム)単位での比率で調合しなければならない。
手間をかけ、取り扱いをきちんと守れば、強固な塗膜を形成します。

”はかり”を使わず、目分量で硬化剤を入れている、頑固な昔ながらの職人を時々見かけます。
硬化剤を比率より多く入れることが良いと思ってるみたい・・・(汗)

”はかり”を使わず、目分量で硬化剤を入れている、頑固な昔ながらの職人を時々見かけます。
硬化剤を比率より多く入れることが良いと思ってるみたい・・・(汗)

屋根の塗装は2液型塗料1択でOK!
2液型塗料の主な使用箇所
  • 外壁
  • 屋根
  • 全般

塗料に付加される機能・性能について

塗料の性能・機能について

塗料には様々な機能・性能があり、それにより価格や耐久性が決まる。
いろんな機能がある塗料は、価格も比例して上がります。

必要な機能を見極め、無駄に高額な塗料を選ぶ必要はありません。

防水塗料

防水機能付きの塗料は『弾性塗料』と言われ、弾力のあるゴムのような塗料を指します。
塗膜に柔らかさがあり、伸縮性能によって小さなひび割れ等に追従します。

選ぶ基準!

  • 塗りたては伸縮性があるが、その機能が何年持つのかが大事。
  • 防水塗料もピンキリで、安価な防水塗料は、すぐに塗膜が固くなるので注意が必要。

外壁がモルタル壁にお住まいの方は必須の防水機能付きの塗料(弾性塗料)。
かなりのオススメ機能です。

外壁材が『窯業系サイディング』の場合は注意が必要!
窯業系サイディングは防火性に優れ、耐久性もあるため多くの住宅で採用されてます。
蓄熱性(熱くなりやすい)が高いので、熱によって弾性塗料の塗膜が伸縮し、塗膜表面に『ふくれ』『はがれ』が発生する可能性があります。

塗装工事で、1番大事な塗料の役割は防水です。雨水から大切な我が家を守る、いちばん重要な防水機能。
【いちばん重要】外壁を防水塗料で守る必要性!塗装工事の目的

防水塗料
  • 伸縮してひび割れ防止
  • 雨水をシャットアウト

遮熱塗料

遮熱塗料は、建物が熱くなる原因の太陽光にある赤外線を、通常の塗料より多く反射できる塗料で、『高日射反射塗料』とも呼ばれており、建物に熱を伝わりにくくするため、室内温度も下がる可能性あり。

特別な工程も必要とせず、一般的な塗料と比べて製品代(塗料)の”差額”分だけの負担となるので、多くの住宅で遮熱塗料での塗装工事が行われてます。

選ぶ基準!

  • 日射反射率が高い塗料を選ぶ
  • 汚れにくい塗料を選ぶ

日射反射率は、白色に近いほど高い傾向があり、高ければ比例して建物の表面温度が上昇しません。
遮熱効果は、汚れによって低下するので、汚れにくい塗料を選ぶ事が重要。

個人的には屋根は、遮熱機能付きの2液の油性塗料で間違いないかなと。

遮熱機能付きの塗料は、日差しが真上の夏場の屋根にピッタリの塗料。価格も一般的な塗料に比べて少し高いだけなので、住まいを快適な空間に遮熱塗料!
屋根塗装でおすすめする遮熱塗料!本当に効果があるか?【詳しく解説】

断熱塗料

断熱とは塗膜の熱伝導率を低く抑えたことを指し、室内空間を快適にすることを目的とした機能。


住宅では断熱するのに、『充填断熱工法』『外張断熱工法』『断熱塗料』など、様々な方法が用いられます。
よく混同しがちな”断熱”と”遮熱”の違い!

遮熱機能
断熱機能
  • 熱を反射する
  • 保温しにくい
  • 暑さ対策
  • 熱が伝わりにくい
  • 保温効果がある
  • 暑さ・寒さ対策

お互い室内温度を下げてくれる可能性がある機能なのですが、熱を軽減するしくみに違いがあり、冬場の保温効果は嬉しい機能。
その分、塗料価格も高めに設定されております。

選ぶ基準!

  • つや消しが基本で、汚れやすいので白系は目立つかも
  • 夏の暑さや、冬の寒さを軽減したい方

宇宙ロケット開発にて大気圏の熱対策として使用され、それを謳い文句に多くの住宅で断熱塗料が広まりました。

個人的には外壁向きで、屋根塗装に断熱塗料はどうかな?
綺麗じゃないんですよねぇ・・・。(効果があるからしょうがないのかな)

塗料

防カビ機能付きの塗料とは、名前通り防カビ塗料を塗るだけで、カビやコケを防ぐことが出来る。
美観はもちろん、人体への影響や建物の腐食から守ってくれます。

塗料自体に防カビ機能付きのもありますが、防カビ剤を後から塗料に混ぜ込むタイプもあります。
価格もお手頃なので、少しでも気になる方は迷わず防カビ機能付きの塗料を選ぶのがおすすめです。

選ぶ基準

  • 通気性の悪い家
  • すでに外壁がカビやコケに侵食されている家

植物を家の周りに植えてると、カビやコケが発生しやすいので防カビ機能はおすすめですよ。

防錆機能塗料

防錆機能付きの塗料で、サビ止め塗料とも言われてます。
金属製の外壁はもちろん、塗替え時の鉄部には必ず使用。

サビの発生を抑え、外壁・鉄部等が腐食しないよう長持ちさせます。
金属製などを塗装する際は必須の塗料なので、何も言わなくても勝手にサビ止めを使用するはずです。

サビ止めは主に下塗り材で使用しますが、単体だけでは効果がなく、その後上塗りをして始めて防錆機能が発揮されます。

大事な機能ですが、当たり前過ぎてお客さんが特別気にする機能でもないかなとは思います。

ラジカル制御機能

塗料の色を決定する顔料の主成分である「酸化チタン」が、紫外線など顔料に触れると「ラジカル」という因子が発生。
ラジカルは樹脂や顔料を劣化させる性質を持っており、代表的な症状の一つ「チョーキング現象」を引き起こす原因にもなります。

ラジカル制御機能を持った塗料は、ラジカルを発生しづらくするための成分「高耐候酸化チタン」「光安定剤」が配合。
この配合されてる成分によって、酸化チタンから発生する”問題児のラジカル”を退治してくれます。

選ぶ基準

  • 色あせしにくい美観を期待したい方
  • シリコン塗料と迷っている方
  • シリコン以上フッ素未満を求めてる方(価格・耐候性)

今、とても人気なのが”ラジカル塗料”。お客さんには毎回提案させていただいてます。

ラジカル制御付き塗料(ラジカル塗料)はチョーキング現象が起こりにくく、色あせしづらい高耐久でシリコン系と同価格帯のコストパフォーマンスに優れた塗料。
塗料選びの際、真っ先に選択肢に入れたいおすすめな塗料です。
≫【これだけは注意して】ラジカル塗料の特徴とデメリットを職人目線で解説

ラジカル制御型塗料
  • お手頃価格でフッ素並み
  • 最新技術でシリコンを圧倒!?
  • 毎回最初に提案する塗料

塗料の選び方

外壁塗装の塗料の選び方

塗装工事の塗料って無数にあって、プロの私でも覚えきれません。

ありすぎて混乱しちゃう。

外せない機能などは実際にあるので最後まで御覧下さい。

この項目から選択していき、ご自宅に合う塗料が洗い出されます。

1.お住まいの建物の材質

ここで選定ミス(業者側の責任)が起きてしまうと不良施工となるので、かなり重要な項目です。
屋根と外壁でも使用する塗料が変わります。

外壁材

外壁材起きやすい現象特徴水性塗料or油性塗料(おすすめ)
モルタル壁・ヒビ割れあまり熱を持たず塗料の剥離は少ないが、ひび割れしやすいどちらも
コンクリート壁・ヒビ割れ
耐久性は抜群だが、寒冷地は塗装が必須。水が染みて凍ると膨張して劣化する。どちらも
ALC・中が塗れると劣化が早い軽くて雨漏りしづらい構造だが、一度水が浸透するともろい。どちらも
窯業系サイディング・コーキング剤の劣化
・壁が反る
熱くなりやすいため、塗料の選択が難しい。コーキング剤が劣化すると雨漏りや、外壁材が痛む原因に。どちらも
金属系サイディング・サビ耐久性はあるが、定期的に塗装しないと外壁材の劣化につながる。断熱や防火に優れている。油性塗料
木質サイディング・塗装なしの場合劣化が早い風情があり美観も美しいが、塗装で外壁材を守らないと劣化が早い。油性塗料
漆喰・汚れが付きやすい
昔からお城や蔵で使用されていて、メンテナンスがあまり必要なし。油性塗料

屋根材

屋根材起きやすい現象特徴水性塗料or油性塗料(おすすめ)
スレート瓦冬に無塗装だと、水が浸透して凍って膨張し、ひび割れるこまめにメンテナンスが必要(塗装)油性塗料
ガルバリウム鋼板断熱性・遮音性が低い錆びにくく、耐久性がある油性塗料
アスファルトシングル台風時にめくれる事がある。
凹みやすい。
価格が安く、非常に軽い。
防水性・防音性が高くい。
油性塗料
陶器瓦・瓦板地震のニュースがあるたび、不安で別の屋根に変更する方が急増。非常に重く、建物の強い強度が求められる。
耐久性が高く、塗装が不要。
必要なし
トタン錆びやすい。安価だが、ガルバリウム鋼板の登場で出番なし。
遮音性・断熱性が低い。
油性塗料
セメント瓦塗膜が剥がれやすい。一昔に流行った屋根材。
陶器瓦より安いが、重い。
油性塗料
銅板屋根サビて色が変わる軽量で、塗装の必要なし。
サビて古くなると味が出る。
非常に高い。
必要なし

2.塗料の価格

塗装工事の塗料選びで真っ先に気になるのは塗料の値段だと思います。
全てとは限りませんが、塗料の価格に比例して耐久性・機能等も上がります。

塗料の種類平米単価(㎡)耐久年数備考おすすめ度
アクリル塗料1,000円〜1,500円5〜6年程度安価で補修程度のDIY向き
(2.0 / 5.0)
ウレタン塗料1,000円〜2,000円5年〜7年程度悪くはないが、シリコンの方が・・・。
(2.5 / 5.0)
シリコン塗料2,000円〜3,500円6年〜10年程度迷ったらシリコン。
スタンダードな塗料。
(4.5 / 5.0)
フッ素塗料3,500円〜5,000円12年〜15年程度高耐久の塗料。
(3.5 / 5.0)
光触媒塗料4,000円〜5,000円15年程度取り扱いが難しく、手間が非常にかかる。
(2.0 / 5.0)
無機ハイブリッド塗料4,500円〜5,500円15年〜20年程度現時点で最も高性能を備えた塗料。
高級塗料。
(3.5 / 5.0)

価格を考えるとシリコン塗料が、コストパフォーマンスは優れてる。
お金に余裕があれば、無機ハイブリッド塗料を選択肢に入れてあげたい。

塗装工事するなら外壁・屋根・付帯部分を全部一緒に塗装するのがおすすめです。
他の箇所との耐久性を考える必要があります。

3.水性塗料or油性塗料と、 1液型塗料or2液型塗料

水性塗料か油性塗料を選ぶ際の注意点として、”臭い”問題があります。
元々、油性塗料のような耐久性と、臭いを抑えるためにと開発されたのが『水性塗料』です。

もちろん水性塗料も無臭までは行きませんが、油性に比べかなり低臭に抑えられ、耐久性に優れた製品ばかり。
屋根には油性塗料、それ以外の外壁等には水性塗料と分けて使用するのがとても多いです。

塗る箇所塗料の種類備考
外壁外壁材を確認油性塗料を使用する場合、住民・周辺近所への臭いが発生することへの理解が必要。
屋根2液性油性塗料過酷な環境下の屋根には油性塗料が最適。
屋根の場合近隣・住民の方へ臭いの影響も少ない。
木部2液性油性塗料木部は剥がれやすいので、高耐久な塗料が必要。
鉄部2液性油性塗料鉄部はサビ止めが必須。
雨樋2液性油性塗料雨樋は非常に剥がれやすいので、油性塗料で密着性の良いものを使用。

臭いを除けば、油性塗料は万能です。2液性をきちんとした業者に任せて、耐久性を高めてもらいましょう。

4.色選びと、ツヤ有りorツヤ無し

塗料によっては色が限定されたり、ツヤ無しの設定が無い場合も。
外壁の場合、塗料メーカーの標準色として30色前後用意されてる中からお好きな色を選んで行きます。

どうしても好きな色が見つからない場合、(一社)日本塗料工業会が発行している色見本から選び、特注で作ることも可能。

別途料金はもちろんかかりますが、長期間同じ色で生活していくので、この中から選ぶのもおすすめです。

塗料の色によってツヤ具合も変わってきます。
写真・見本帳だと、実際塗ったときのイメージが違う場合もある。
平面ほど、光の反射が一定なのでツヤがあるように見える。

ツヤの設定
  • 10分ツヤ
  • 7分ツヤ
  • 5分ツヤ
  • 3分ツヤ
  • ツヤ無し

ツヤの設定等には明確な基準が無い。 同じ5分ツヤでもメーカーが違うと、同じツヤ具合とは限りません。

ツヤ有り塗料

  • 塗った感じがあり、光が反射しとても綺麗。
  • 塗装したことがすぐ分かる

ツヤ無し塗料

  • 自然に溶け込み落ち着いた高級感を演出。
  • マットな仕上がりで、和風の家に合う

塗りたての感じがしなく、自然な仕上がりを求めるならツヤ消しがおすすめです。

私個人的に、外壁の塗装はツヤ消しが好きです。

5.塗料の機能・性能

塗料の機能・性能は、目的によって変わる。
ご自身・ご自宅の状況に合わせた塗料選びになります。

機能・性能特徴備考
防水機能・弾力のあるゴムのような塗料塗料が割れにくく、ヒビ割れ防止
雨漏りから塗料が守ってくれる
遮熱機能・紫外線を反射し、熱を軽減室内温度を下げる可能性。
断熱機能・熱が伝わりづらい夏は室内温度を下げる可能性。
保温効果が有り、冬は快適。
防カビ機能・カビやコケの発生を軽減通気性の悪い住宅に最適。
防錆機能・サビの発生を軽減金属系の箇所には必須の機能。

お住まいの使用されている”材質”により変わるので、業者と相談して決めましょう。
塗料の選択ミスは耐久性に直結するので、決してご自身だけで選ばないように。

塗料の特徴を知っておくだけで、実際の塗装工事の時に役立ちます。

まとめ:迷う方への選び方

ニオイ対策

塗装工事の塗料選びは選択肢が多すぎて混乱します。
機能を付け過ぎると高価格になりますので、予算に合わせた必要な塗料選びをしましょう。

あまり気にしない方は以下の選択をオススメします。
  • 大手塗料メーカーから選ぶ
  • 2液型油性塗料をまずは選択する
塗料の選び方

大手塗料メーカーには他にはない信頼と実績があります。
特別こだわりがなければ、このメーカーの塗料を選ばれるのをオススメします。

塗料メーカー創業タイトル

日本ペイント株式会社
明治14年創業130年以上の歴史があり、建築用以外にも自動車・電気機器など幅広い分野の塗料を揃える国内最大手の塗料メーカー。

関西ペイント株式会社
大正7年創業家庭用、自動車・工業分野まで国内トップクラスのシェアを誇る老舗塗料メーカー。

エスケー化研株式会社
昭和33年創業建築用塗料に特化しており、住宅のあらゆるニーズに応える。
代表的な建築業界での大手塗料メーカー3社
塗料の選び方
外壁の場合
  • 2液型油性塗料
  • 2液型水性塗料
  • 1液型油性塗料
  • 1液型水性塗料

優先度

外壁に使用する7割以上が1液型水性塗料です。
やはりニオイ問題のため、油性塗料の使用はあまり好まれません。

屋根の場合
  • 2液型油性塗料(ほぼ一択)
  • 1液型油性塗料

優先度

雨や夏の強烈な紫外線・熱に、常にさらされている屋根は非常に過酷な環境下。
強固な塗膜を形成しなくてはならないため、”2液型油性塗料”を強くオススメします。

1液型水性塗料2液型水性塗料1液型油性塗料2液型油性塗料
外壁定番
金属系木部系はNG
金属系木部系はNG臭い対策をしっかりすれば臭い対策をしっかりすれば
屋根おすすめできないおすすめできないイマイチ遮熱塗料
付帯部分(細かい箇所)おすすめできない箇所により2液型より劣るおすすめ

≫ 外壁塗装で人気の塗料を職人目線で解説 【おすすめランキング5選】

シンプルな塗料選び

一般住宅の塗料は臭いさえ除けば、2液型の油性塗料が優れてると覚えてもらえれば良いです。
外壁や室内に使用する場合は住民や近隣の方への理解・説明が必要。

水性・油性、1液型・2液型もそこまで価格は変わりませんので、ニオイ対策だけを気にして下さい。
機能等は付ければ付くほど比例して価格も高くなるので、まずは大手塗料メーカーの中から”2液型油性塗料”を選択するのがおすすめです。

これだけは選ばないで!

  • 現場の職人から見た業者の選び方
  • ポイントだけ抑えてシンプルに選ぶ方法
3つの事だけ抑えて欲しい!

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森口 よしお

25年間この業界に身を置き、下請け業者として今も毎日外壁塗装をさせていただいております。 会社の宣伝ではなく、第3者の意見として現場で感じた事をお伝えしていければと思います。

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