外壁塗装

【職人目線で解説】無機塗料って本当にフッ素以上?外壁塗装する前に知っておきたい事

7月 15, 2022

最強クラスの無機塗料
  • 無機塗料について知りたい!
  • 外壁塗装でどの塗料にするか悩んでる・・・
  • フッ素塗料と比較したい

「無機塗料で外壁塗装したらどうなんだろう?」と思う方も多いでしょう。
無機塗料を知りたい方はフッソ塗料との比較も気になると思います。

フッソ塗料を超える耐久性。建築塗装では最強クラスの性能を誇り、戸建住宅でも採用されてます。

超耐久で、次回の塗替えスパンが大幅に長くなる無機塗料ですが、間違った箇所や素材に塗ってしまうと不良施工の原因になります。
不向きなお家もありますので、本記事で理解を深めて塗料選びの参考にして下さい。

外壁塗装

≫ フッ素塗料について知りたい方はこちらから

無機塗料とはどんな塗料?

一般的な塗料は”有機塗料”と呼ばれ、石油等の有機物(炭素を含むもの)を成分とした樹脂が配合されてます。シリコン・フッ素などの塗料がこれに当たります。

逆に無機塗料はガラス・陶器など、紫外線の影響を受けない無機物(炭素を含まないもの)を配合して作られた塗料を指します。

無機塗料の説明

紫外線の影響をほとんど受けない性質なため、樹脂塗料(一般的な塗料)と違いガラスや石は長期に渡って劣化しづらい。
無機物の長所を生かして、”有機物と混合させ、外壁塗装で使用可能にしたのが”無機塗料”と言います。

無機塗料=無機物と有機物のハイブリッド塗料

メリット・デメリット

メリット
デメリット
  • 耐久性・耐候性が非常に高い
  • 汚れにくい
  • 防カビ・防藻性
  • 不燃性
  • 塗膜が硬くひび割れしやすい
  • 塗れない素材・箇所がある
  • 高価格
  • 再塗装・次回の塗替えは要注意

メリット

長期間美観性を保つ

無機塗料で外壁塗装をすれば、フッ素塗料以上に長期に渡って美観性を保ってくれる。

耐久性・耐候性が非常に高い

無機物が主成分なため、紫外線や雨の影響を受けづらく、塗膜の劣化を防いでくれます。
色あせやチョーキング現象(手で触ると粉状のものが付着する)が長期間起きづらい。

チョーキング現象

汚れにくい

無機塗料には汚れが付きにくい、付いても雨水で洗い流してくれる性質がある。
静電気が起きにくく、水が塗膜に馴染む(親水性)を兼ね備えてるので汚れない・洗い流す塗膜になります。

塗料の親水性と撥水性の違い

防カビ・防藻性

カビやコケの栄養分である”有機物”の成分がもともと少ないので、発生を抑えて腐食や美観性を保ちます。

不燃性

陶器やガラスの成分である”無機物”が無機塗料の主成分なので燃えづらい。
有機物との混合(ハイブリッド)なので、全く燃えない訳ではありませんが、一般的な塗料に比べ(有機塗料)、燃えるまで時間がかかるというメリットがあります。

デメリット

塗膜が硬くひび割れしやすい

陶器やガラスと同じ無機物は、紫外線等には強いが硬く割れやすい性質。
外壁塗装向けに多少柔らかくはなっておりますが、無機塗料にも同じ事が言えます。
外壁材、下地材の性質を理解した上での塗装が必ず必要です。

塗れない素材・箇所がある

無機塗料の塗膜は硬く、柔らかい・伸縮性のある素材への塗装には向きません。
特に柔軟性のある木材への塗装は不向きと言えるでしょう。(無機塗料に限ったことではない)
塗膜が柔らかい無機塗料もありますが、価格は高くなります。

高価格

高機能なので仕方ありませんが、一般的な塗料に比べて倍以上の価格になります。
20年・30年と長いスパンを考えて、塗替え回数が減ったことによりお得になることも。

シリコン塗料無機塗料
初回塗り替え100万円170万円
2回目200万円(10年目)340万円(20年目)
3回目300万円(20年目)510万円(40年目)
1年でかかる費用10万円8,5万円
平均的な2階建ての場合(約35坪)

再塗装・次回の塗替えは要注意

無機塗料は低汚染機能、塗膜表面に汚れが付きにくい性質があります。
汚れだけでなく、次回の塗装・塗替え時に新しい塗料も付きにくいという性質も持ってます。
専用の下塗り、下地処理を施さなければならないので、知識を持った信頼できる業者に依頼しなければなりません。

大半の業者が、前回の外壁塗装で何を塗られてたか気にしないから気を付けて下さい。

無機塗料を比較し、検討する

無機塗料を比較して選ぶ
当てはまる人は検討することをおすすめします。
こんな方におすすめ!
  • 初期費用が高くても長期間美観性を保ちたい
  • 外壁塗装の工事は苦痛で回数を減らしたい
  • 通気性が悪くカビ・コケ・藻が発生しやすい環境に家がある
  • 予算に余裕がある
塗料の種類耐用年数価格(㎡)備考詳細記事
ウレタン塗料5年〜7年1,000円〜2,000円低価格だが、耐用年数が低い詳細を見る
シリコン塗料6年〜10年2,000円〜3,500円耐久性と価格のバランスが良い詳細を見る
ラジカル塗料12年〜15年3,000円〜4,000円耐用年数がフッ素並みで価格はシリコンより少し上詳細を見る
フッ素塗料12年〜15年3,500円〜5,000円実績・実力ともに実証済み詳細を見る
無機ハイブリッド塗料15年〜20年4,500円〜5,500円フッ素を超える最強の耐久性詳細を見る

無機塗料を悩むなら、価格帯・耐久性などが似てるフッ素塗料との比較が簡単かもしれませんね。
≫ 【必ず確認】フッ素塗料で外壁塗装する前に他の塗料と比較しよう

高額な塗料ですので、後悔のない塗料を選びましょう。

チェックポイント

外壁塗装で何の塗料を塗るかも大事ですが「誰が?」「何処に」も、とても重要ですので”適切”な業者に依頼して下さい。

大手塗料メーカー以外はリスクがあるかも!?

大手塗料メーカーは歴史・実績・信頼が他社と大きく違います。大手以外にも素晴らしい塗料はたくさんありますが、わざわざリスクを取る必要がありますか?

クレームだらけの塗料もある

外壁塗装で使用する塗料は廃盤になることも多いのは知ってますか?

  • 売れない
  • クレームだらけで廃盤
  • 新技術が出て必要性がなくなった

廃盤になるだけなら問題はないですが、クレームだらけでの廃盤は塗料メーカーの信頼に関わります。

積み上げてきた実績が格段に違います。

全く同じ環境の家はこの世に存在しません。

大手メーカーもクレームはありますが、対処方法の実績が格段に違います。

対処方法がたくさんあります。

大手メーカーの無機塗料

代用的な無機塗料を紹介していきます。

● パーフェクトセラミトップG(日本ペイント)

無機塗料パーフェクトセラミックトップG

サイディング・モルタル・コンクリート・ALC
水性2液型塗料

● エスケープレミアム無機マイルド(エスケー化研)

無機塗料エスケープレミアム無機マイルド

サイディング・モルタル・コンクリート・鉄部・亜鉛メッキ鋼・アルミニウム・ステンレス・硬質塩ビ・木部
2液型油性塗料(弱溶剤)

● アレスダイナミックMUKIマイルド(関西ペイント)

アレスダイナミックMUKIマイルド

サイディング・モルタル・コンクリート・鉄部・亜鉛メッキ鋼・アルミニウム・木部
2液型油性塗料(弱溶剤)

まとめ

無機塗料

無機塗料は、一般の塗料よりも非常に高い耐用年数を誇る代わりに、たいへん高額な塗料です。
長期的に見て、経済的なメリットを感じ取れたなら選んでも良い塗料だと思います。

外壁材・下地材によっても耐用年数は代わります。
無機塗料を塗装した部分だけの”塗膜”は劣化しなくても、他の箇所が同じく耐久性があるとは限りません。

部分的に塗装工事をすると、その都度足場代がかかるので、次の塗り替えも考えて塗料を選ぶのがおすすめです。

外壁に無機塗料を使用するなら、劣化が早い屋根にはフッ素などの高耐久な塗料を選びましょう。無機塗料にも屋根専用が発売されてるのでそちらもおすすめです。

塗料選びについては別記事にて詳しく解説しております。他の塗料と比較するのもおすすめですよ。
≫ 知っておくべき外壁塗装の塗料の種類と特徴・機能を解説【塗料の選び方】

  • 現場の職人から見た業者の選び方
  • ポイントだけ抑えてシンプルに選ぶ方法
3つの事だけ抑えて欲しい!
  • この記事を書いた人
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森口 よしお

25年間この業界に身を置き、下請け業者として今も毎日外壁塗装をさせていただいております。 会社の宣伝ではなく、第3者の意見として現場で感じた事をお伝えしていければと思います。

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